パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

ついに一周忌が来た!!③ みんなに良くしてもらったね

境内の大銀杏

境内の大銀杏が秋の深まりを知らせるとともに、タローとの思い出を蘇らせてくれました

法要に参列するのは、亡き骸を運んだ日と秋の彼岸に続いて3回目です。

読経の時間は変わらずたっぷり、丁寧でした。

本堂を後にすると、秋の日は早くも傾き始めています。
急いでお塔婆を納め、お花とお線香を供え、供養塔に手を合わせました。

納骨堂

納骨堂の周囲は冷気が感じられ、いつもの猫ちゃんの姿もありません

少し冷えてきたのか、いつもは納骨堂の入り口か近辺にいる猫ちゃんも姿がありません。

見事に色づいた銀杏の大木を見上げながら、タロー爺さんと過ごした最晩年の日々を思い出します。

晩年の食事風景
晩年はタロー爺の世話で一日中追われていたっけ

少量を数回に分けてあげるのがいいと聞いてから毎日、流動食を6回~8回作りました。
彼が目を覚ますと、休む暇なくご飯を作っていた気がします。
その間も排尿や排便の世話をし、ベッドのおしっこシーツとバスタオルを取り換え、その洗濯にも追われました。

生死をさまよった後、無事に19歳の誕生日を迎えてからも鍼灸治療を施してもらうため、動物病院へは週に1~2回は通いました。

初めて鍼を打ったとき、タロー爺さんはそれこそ地獄の底から聞こえてくるような(苦笑)、抵抗の鳴き声を上げたものです。
ところが慣れるにしたがって、静かに鍼を打たせるようになり、お灸に至っては気持ち良くなるのでしょう。
スヤスヤ寝入ってしまうことも少なくありませんでした。

すっかり動物病院の常連と化したタロー爺さん。

彼が満19歳過ぎの高齢犬であることを知ると、待合室に居合わせた皆さん、一様に驚きの声を挙げられます。
「何を食べているんですか?」といった質問をされる方もいれば、「あやかりたいわ」「20歳まで頑張ってね」など、彼の体を撫でてくださる方もいました。

11月末日、動物病院で知り合ったワンコと飼い主さんが突然、散歩の途中に立ち寄ってくれたのです。

いただいた花束
一周忌もみなさんのご厚意のおかげで、暖かな気持ちで迎えました

「確かタローさん、亡くなったのは11月でしたよね。去年はお花をあげられなかったので」と、花束を差し出されるではありませんか。

「えーっ、そ、そんな……!!」

言葉が続きません。ひたすら、ひたすらありがたく、でも遠慮なく受け取りました。

タロー、君は本当に幸せなワンコです。君が死んだ月を飼い主以外の方も覚えていてくださるなんて。

同時に、ハル婆やも幸せな飼い主であることを実感する、サプライズな出来事でした。