パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

高齢パグ犬との思い出ブログです

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 初めて飼った犬が平成29年11月23日、19歳と215日で旅立ちました。

あと5カ月で満20歳だったのにね… 残念!!

名前はタローといいます。鼻ぺちゃ・シワ顔のパグ犬です。

相手が人間の場合はもちろんですが、老犬を支えるのもやっぱり大変!

食事や排泄、夜泣きなど老犬特有の困りごとや心配ごとに直面するたび、
獣医さんや犬友など周囲の人に励まされながら、なんとか日々を送っていました。

でもけっして辛いことばかりじゃありませんよ。

思わず笑ってしまうようなことや、人生に思いをはせるときもありました。

トホホな飼い主が、介護ライフのあれこれを綴ります。

薬の飲ませ方① 良薬は口に”甘し”と覚えさせる

動物病院

タローが通った中央区立浜町公園そばの動物病院

ワンコを飼っていると、飼い主が薬を飲ませなくてはならないときがあります。
シニア犬になれば、サプリメントをふくめ定期的に数種類の薬を服用することが珍しくありません。
タロー爺さんも、多いときは1日に4種類の錠剤とサプリメントを飲んでいました。

問題は飲ませ方です。
薬を飲むのが苦手なワンコって多いと思います。

まだ彼が若い頃、春先になるとよくお腹を壊すので、いちおう動物病院へ連れて行きました。
数日分の下痢止めの薬を処方されたので、飲ませ方を教えてもらいました。

pet-q.com

背後からタローを抱え込み、
下顎をグイっと強く掴むと口をこじ開け、
錠剤を口の奥へ。喉元を撫でて飲み込みを促し、ゴックンとするまで口を押さえている。

ぺちゃんこ顔のパグ犬でも、実に上手に飲ませるんですね。

獣医さんだから当然といえば当然なんでしょうが……。

こんな芸当が素人にもできるのだろうか?!

 ぺちゃんこ顔と格闘すること約10分。

ハル婆やは1回試しただけで早々と諦め、「タローの好物で錠剤をくるむ」*1という方法に切り替えました。

根性なしの飼い主です。トホホ。

若い頃は食パンや餡まんの皮などにくるんで、
爺さんになってからは薬の種類も増えたし、
ご褒美の意味を兼ねて、ほんのり甘いカステラ焼にくるんで飲んでもらいました。

人形町の重盛永信堂

“人形焼の重盛”で知られる水天宮前の重盛永信堂

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そのカステラ焼は水天宮近くにある人形焼の老舗から、わざわざ連れ合いが買ってくるんです。
タロー爺さんに間違いなく薬を飲んでもらいたい一心で。タロー爺さんもそんな気持ちに応えたのか、毎日きちんと飲み続けた――。

いやいやそんなことないでしょ?! 単にカステラ焼が甘くて美味しかったのだと思います。

彼が食いしんぼうだったのが幸いしました。

 

*1:最近は「ピルポケット」をはじめ、錠剤を埋め込む専用のものが売られていて、ワンコの好む味がついているそうです。

薬の飲ませ方② 中華料理の技に学ぶ

嚥下能力が落ちた

タロー爺さんの嚥下能力が落ちてきて

錠剤は「好物にくるむ」という方式で乗り切れましたが、タロー爺さんの嚥下能力が落ち、固形物が食べられなくなってからは困りました。

大好きなカステラ焼にくるんでも吐き出すようになってしまったのです。

新たな問題の発生です。

食事は固形物の摂取が難しくなったため、流動食を手作りして食べさせていました。
彼が食べ慣れたドッグフードをふやかし、軟らかく茹でた好物のサツマイモやお気に入りのササミ・スープ煮の缶詰と一緒にミキサーにかけ、ペースト状にしたハル婆や特製です。

かかりつけ医は、錠剤をすりつぶして粉状にしたものを流動食に混ぜることを提案しました。
なるほどね。
でも、どんな道具ですりつぶせばいいの? 

ピルクラッシャー

ペット用ピルクラッシャー https://petit-mall.jp/zakka/pillcrusher/

「ピルクラッシャー」とかも市販されていますが、常に代替品を利用してきたハル婆やは何かないかと考え、すり鉢を思いつきました。

sci-pursuit.com


小さなものが家にあったので、さっそく試してみると、鉢の凸凹溝に薬が残ってしまい、楊枝などで掘り出さなくてはなりません。
面倒くさいことは長続きしないと思い、別の代替品を探すことにしました。

ある日、何気なく料理番組を見ていたら、中華の料理人が大きい包丁の腹を使って、ニンニクをつぶしているじゃありませんか!!

すり鉢とすりこぎ

家庭用品で代用するか思ったものの……

ビビッと閃きましたね。

家にある普通の包丁の腹でもすりつぶせるのでは? 

オッケー、ノープロブレムです。我ながら名案だと思いました。

次に、なんの上ですりつぶすか?
なるべく粉が入り込まないものがいいですよね。すり鉢で学びましたから。

ハル婆やはホームセンターでステンレス製の小さい板を購入しました。
まな板でも代用できると思いますが、表面がツルツルした紙などを敷いたほうがいいと思います。

これで「薬のすりつぶし」 に成功!!

 

長生きの秘訣④ 散歩編1 朝夕2回、たっぷりと。

タローが長生きした理由として、「散歩」を第一に挙げてくださる方が少なくありません。

「よぉく毎日、散歩していたもんね。だからタロー君は長生きしたのよ」

犬友はもちろんのこと、会社の窓からハル婆やとタローが散歩する光景をいつも眺めている、という女性が話しかけてくれることも――。

確かに暑かろうが寒かろうが、あるいは雨や雪が降ろうが1年365日、朝夕2回、それぞれ少なくとも1時間は散歩していました。

ハル婆やが行けないときは連れ合いが、1日も欠かさず散歩へ行きました。

これだけは少し自慢できるかな……。

だけど長生きを意識してのことではなく、単に散歩が好きな犬だったから、
「それくらいは対応してやろう」という気持ちだったように思います。

だから散歩が長生きの秘訣かと尋ねられたら、あまり確信が持てません。
そうかもしれないし、そうとも限らない。今も極めて曖昧な感触しかないのです。

たとえば心臓や股間骨に先天性の疾患を抱えていたら、散歩が次第に辛くなるケースだってあるでしょう。
肥満犬になると、散歩をしたがらないという話もよく耳にします。

それと、散歩する=歩く行為にあまり喜びを見いだせない犬もいるのではないでしょうか。

キング1
キング2
キング3
人に可愛がってもらうのが散歩の目的だったキング


父親が飼っていたキング君がそうでした。
まだ3、4歳にも関わらず、箱入り息子で育てたのが災いしたか、あるいはキャバリア犬種に多い心臓病を早くも発症したのか、散歩に出ても長く歩くのが苦手。

ついでに言えば、他の犬と会うのも苦手でしたね。

キング君の場合、散歩は歩くことよりも、人間に可愛がってもらうのが目的だった気がします。
まるでぬいぐるみのような、誰もが愛くるしいと感じる顔立ちと仕草の持ち主でしたから。

そして彼自身、そのことを十分に意識している!

不細工ワンコの飼い主、ハル婆やはちょっと意地悪く彼を見ていました。

話が脱線したので元に戻しましょう。
某週刊誌で愛犬家のこんな一文を目にしたことがあります。

「幼年期にたっぷり運動した犬が長生きする」

長生きするかどうかはともかく、彼の引き締まった下半身と脚の筋肉は、1歳から2歳までを過ごした横浜の、アップダウンの多い地形を縦横無尽に走り回った賜物です。

体形や脚力だけでなく、肺や心臓も鍛えられたのかもしれません。

そんなこんなを考えると、先天性の疾患がなく、幼少期にたっぷり運動して散歩好きになることは、長生きワンコの十分条件*1と言えそうですね。

坂を走るタロー

幼いころ、起伏の激しい横浜郊外を長時間散歩していました

 

*1:「例外なく、これがないと成立しない」という必要条件に対して、「これが満たされていれば、とりあえずは成立する」といった条件

長生きの秘訣⑤散歩編2 キーワードはストレスフリー

散歩の主導権

散歩の主導権はタローに明け渡しました

散歩のルートや時間は、用事があるときはハル婆やに付き合ってもらうものの、基本的にタローが決めていました。

「えーっ、そんな癖をつけたら、言うことをきかなくならない?」

と犬友に言われたりしましたが、心配は無用です。

こちらに用事がある場合、
たとえば早く切り上げたいときや散歩のついでに郵便局へ寄りたいときなど、ひたすら彼に「今日は言うことをきいてください!」とお願いするのです。

最初こそ少し抵抗するものの、比較的素直にルート変更や時間短縮を受け入れてくれました。
その代わり用事がないときは彼が行きたいルートで、彼が満足するまで付き合う。

こうしてタローとの間に、信頼関係が生まれたように思います。

本能の赴くままに

本能の赴くまま風を感じ、様々なにおいに五感を刺激されて

ペットにとって、散歩は日差しや風を受け、草や地面、仲間の匂いを嗅いで、犬の本能が呼び戻される貴重な機会という説を目にしたことがあります。
とすれば、たとえ都会暮らしでも、なるべく彼が本能の赴くままに行動できる状況にしてあげたい。

タローの長寿に散歩が寄与したとすれば、それはストレスの少ない散歩だったからではないでしょうか。

彼の散歩コースは自宅を中心に東西南北に張り巡らされ、散歩はあたかもパトロールみたいな感がありました。
とんでもないところで知り合いの方にお会いすると、「あらタローちゃん、こんなところまで散歩に来るんだ!!」。驚かれたり、呆れられたり……。

あちらこちらに出没することで有名でした。

 

匂いフェチ
しつこく匂いをかぐ
匂いフェチの本領がいかんなく発揮される散歩の時間


もう一つ彼の散歩で思い出すのは、「お前は匂いフェチか?!」とツッコミを入れたくなるくらい、匂いに執着したことです。

たとえば電信柱や植え込みで気になる匂いがあると足を止め、クンクン嗅ぎ始めます。左側から嗅いだら、次は右側からと角度を変えて念入りに嗅ぐ。
時にはペロッと舐めて味見も。
一周回って再び嗅ぎ出すこともあり、5分くらい経過するなんてざらでしたし、通行人や掃除中の人に顰蹙を買うことも多々ありました。

主に仲間の尿跡を嗅いでいるのですが、尿の匂いには性別や年齢など、様々な情報が詰まっているそうです。
つまり、それを嗅いだり舐めることによって、タローは情報収集していたわけですね。

彼の縦横な散歩が何となくパトロールのようだと感じたのは、あながち間違っていませんでした。

そして嗅いだ場所には必ずマーキングする。

それは当然でしょう。本能的な行為ですから。
散歩しながら「おっ、あいつが今さっき通ったな」「うひょー、大好きな●●ちゃんが近くにいるかもしれない」など、タローの頭はフル回転していたにちがいありません。

飼い主さんが自転車に乗って、ワンコを走らせている光景を時々見かけます。脇目も振らず一生懸命に飼い主さんの自転車を追いかけるワンコ。

「スゴイな~!」と思う反面、「はたして楽しいのか?」と感じるのも事実です。

走力のトレーニングとしてはいいのかもしれませんが、途中で気になる匂いがあっても嗅ぐのを我慢するわけですよね。

同様に、散歩でワンコが匂いを嗅ぎたくて止まると、ご主人がリードを強く引っ張って歩みを止めさせない、いわゆる”躾”にも、ハル婆やはなんとなく引っかかるものがあります。


タロー15歳と7カ月 まだまだ元気に散歩していましたが…… この2カ月後には「慢性腎不全」と診断されました

好きなCM、??なCM 。

3匹のゴールデンレトリーバー

友人宅の"かしこカワイイ"ゴールデンレトリーバー・トリオ

最近、犬が出演するCMでお気に入りがあります。
モフモフの白い大型犬(犬種はグレートピレニーズ?)を飼い始めた男女が、犬の行動を見ては次々と商品をネットで注文していく。

「あぁ、あれね!」。

ご覧になったことのある方、いらっしゃるでしょ?

グレートピレニーズ

もふもふのグレートピレニーズ(画像はWikipediaより)

最後、男女二人と犬は犬を真ん中にして川の字よろしくベッドで寝る場面が映し出されますが、いかにも窮屈!!
そこで男性は初め大型犬用のベッドを注文しようとするものの、思い直してブランケットを注文します。
ベッドを犬に明け渡し、自分がソファで寝ることを選択したんですね。

人間のオジサンみたいに、犬が大鼾をかくオマケがついて、CMは終了します。

いやー、ほのぼのした雰囲気が漂っていて、いいですよね。
とりわけ人間が寝る場所を犬に譲る、という設定に大満足! です。今なら、さしずめ”ドッグファースト”といったところでしょうか。

しかし、飼い主に対して犬が遠慮する、あるいは空気を読むなんてストーリーだったら……。

たとえ「なんてお利口なワンちゃん!」という声が多いとしても、ハル婆やはちょっと嫌な気分になったと思います。
実は、同じ企業の以前のCMは、見ていて哀しい気持ちになったのです。

ゴールデンレトリーバーを飼っている男女に新しい家族=赤ちゃんが加わりましたが、なぜか赤ちゃんはゴールデンレトリーバーを見ると泣き出し、絵本でライオンを見るとニコニコです。

そこでパパは一計を案じ、ライオンのたて髪のかつら(こんな商品まで扱っているのかと正直、驚きましたけど)をネット通販で注文。

ゴールデンレトリーバーがそれをつけて姿を現すと、赤ちゃんはご機嫌で、めでたし、めでたしといった内容でした。

まだ歯も生えていないような赤ちゃんが、ゴールデンレトリーバーは駄目でライオンは怖がらないという設定自体、少し無理があるんじゃない?
とツッコミを入れたくなりますが、なによりもゴールデンレトリーバーでは泣き出す、「だったら変装させようよ」という発想に違和感を覚えました。

横並びのゴールデンレトリーバー3匹

犬も人間も、まんま受け入れられるほうがいい

少しお行儀が悪かろうが、少し不細工でかっこ悪かろうが、少しのろまだろうが、まずはまんま受け入れる。

これ、相手がペットに限らず、人間でも同じでしょ? そのまんまで受け入れられないのは切ないですよ。

あのCM、なかなか評判良かったそうですが、ハル婆やにはゴールデンレトリーバーの表情がどこか物悲しく感じられ、見るたびに心がブルーになりました。