回向院へ葬る② 弔い方で実感する“ペットは家族”
もう1つ、塔婆をあげるか否かも尋ねられ、とても驚きました。犬にも戒名をつけていただけるのか、と!! 塔婆に戒名はつきものですから。
いくらペットブームのご時世とはいえ、そこまでやる!? こちらのとまどいが伝わったのか、電話口の職員が簡単に流れを説明してくれました。
亡骸を預けた当日夕刻の法要(ちなみに法要は毎日行われます)において、飼い主の名前とペット名を記した塔婆を祭壇に供え、経とともに読み上げる。
その後、飼い主自ら供養塔に納めるそうです。塔婆代は1本3千円。何事も経験と思い、塔婆を申し込みました。
認知症の父親を伴って法要にも出席したところ、大勢の飼い主さんがお見えでした。
本堂は薄暗く厳かな雰囲気。
唱えられた経は浄土宗のもので、初めて耳にしました。
こんなに手厚く弔われて、タロー爺さん、ホントに幸せです。
我が家はたまたま近くに回向院があったから迷うこともありませんでしたが、そもそもペットが死んだら、その亡骸はどうすればいいのでしょうか。
「動物の愛護及び管理に関する法律」、いわゆる「動物愛護法」や自治体条例において、生命を有する存在という理由から、単なる「物」とは異なる取り扱いが規定されているものの、民法・刑法上はあくまでも「物」扱いです。
したがって死んだ場合も、その亡骸は一般廃棄物として扱われるそうです。
自治体に連絡すると有料ゴミとして処分*1されますが、その費用は自治体によって、またペットの種類や重さによって異なります。もちろんとてもリーズナブル。
だけど、今まで家族同様に接してきたペットをゴミ扱いされることに、強い違和感を抱く人は少なくないでしょう。
ペットを人間と同じように弔いたいという飼い主の気持ちは、「ペットは家族同然」という考えが定着した現在、むしろ当然なことなのかもしれません。
塔婆をあげられるなら、あげたいという飼い主が現れる。ニーズがあるところにサービスは生まれます。
そういえば昨今、お墓もペットと一緒に入れるタイプが注目されていますね。ペットの火葬や埋葬をめぐって、新たなビジネスが生まれてきた背景には、ペットの家族化が大きく影響していることは間違いありません。