パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

死を受け入れる② 犬友たちが集まってくれて

タローの祭壇

祭壇に見立てた粗末な台に、犬友が献花や供物をしてくれた

お世話になった近所の犬友が次々と、花や食べ物を携え、弔問に訪れてくださいました。
祭壇のつもりで簡単にしつらえた粗末な台も、花々が並ぶとそれなりの雰囲気になるから不思議です。

草むらが大好きだった彼を偲んで、クロスはあえてグリーン系を選びました。大昔、自分で花の刺繍を施したテーブルクロスがこんな場面で役に立つとは……。

 

草むらのタロー

臭いのする草むらが大好物? だったタロー

連れ合いが思わず言いました。「タローは幸せだな。人間だって、こんなに花を手向けてもらえるとは限らないからな……」。
ホントです。

そうそう、遺影の写真も頂き物でしたっけ。先輩の犬友の方が「よく撮れていたから」と、通常の紙焼きのほか、大きく引き伸ばしパネルに仕立てたものをプレゼントしてくださったのです。
ありがたく、それを使わせていただきました。

日付けを見ると、2016年3月17日とあります。死ぬ1年半ほど前ですか……。

まだ自分の足で立ち、排尿がてら近所をゆっくりゆっくり散歩していた頃です。
「タローちゃん、久しぶり。会えてよかったわ」とおっしゃって、携帯の写メで撮ってくださいました。

 

頭を撫でてほしいタロー

犬と遊ぶより人にかまってもらう方が好きだった

耳が遠くなり、目もほとんど見えていない彼は、匂いを頼りに近づくと、丸めた尾っぽを小さく振ります。

「そうかそうか、分かったのね。うんうん、いい子いい子」。先輩の犬友はいつものように彼の丸い、満月のような頭を優しく撫でてくれました。