受診するタイミングって?! その2 だからと言って過信は禁物!
受診か? 様子見か?
思い出すのは、タローが自宅の2階から急な階段を転がり落ちた時のことです。
いつも階段の上で吠えて「起きたよ!」と知らせるのですが、階段口の戸を閉めて台所で食器を洗っていたせいか、彼の吠え声をキャッチできませんでした。
何度か吠えたにも関わらず、婆やが迎えに来ない!!
「お腹空いた! 早く下に降ろして!」
地団駄を踏んだ彼は階下をのぞき見た瞬間、バランスを崩したのでしょう。なにせ3.5頭身ゆえ、頭部が重いですから。
ゴロゴロ、ズドーン!!
即座にタローが階段から落ちたと気づきました。
やっちまったか……。
静かに戸を開けると、自身の身に何が起きたのか分からない、キョトンとした顔つきのタローがいました。そっと抱きかかえたら抵抗しません。数分間やり過ごした後、心臓の鼓動を確かめるとドックン、ドックンと既に落ち着きを見せています。
続いて床に立たせてみました。
しっかりと立つのを見届けたら、頭部や四肢、背骨など、タローの全身をくまなく強めに触りました。
痛い箇所があれば、「ギャン」と泣くはずです。
どうやら骨折や打ち身はなさそう……。
次にご飯を用意すると、いつもの通りにガツガツ食べ始めました。
水も飲み終え、リードを見せながら彼に「散歩へ行く?」と尋ねると、これまたいつもの通りに玄関へ一直線です。
散歩の最中も、脚の運びはもちろん排尿&排便時の様子、排泄物の回数や形状、色、においなどが普段と比べて異なっていないか、いつもより注意深く見つめました。
とくに変わった点はなく、胸を撫で下ろしたことを鮮明に覚えています。
しかし頭部を強く打つと、その時は何もなくても後に嘔吐したりして、死に至ることもあるのを思い出し、1週間ぐらいはタローの様子を気にかけていました。
幸いにして何事も起きなかったのですが、階段落下事件から何か月か経った頃、かかりつけの獣医を訪れた時のことです。
犬友の誰かから耳にしたのか、呆れたように言われました。
「タロー君は受け身が上手だったから、たまたま大事に至らなかっただけで……。もう14歳なんだし、そういう時はちゃんと診せてくださいね!」
素人判断だけに過信は禁物!ですね。トホホ。