パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

タローが我が家に来た理由③ 棒命中事件から救出

母親に嫌われたタロー

その超個性的な風貌がアダに

タローがソファを降り、床をチョロチョロするようになった頃、事件は起きました。

母親は認知症が進んだためか、はたまたもともと犬猫が好きではなかったからか、
足元を元気よく動き回る彼が煩わしくなったのでしょう。しかも不細工な顔しているし……(面食いの母親は、たとえ犬でも不細工なパグ犬は気に入らなかったみたいです)。

彼をそこそこ太い棒で追い回し、たまたま彼の頭に棒がご命中! という不幸な出来事がついに発生してしまいました。

興奮したのでしょう。彼は激しくぐるぐると回り、なんと脱糞してしまったそうです。

これ以降、「興奮する」⇒「排泄行為」という彼の行動パターンが定着するのですが、この話はまた別の機会にしたいと思います。


幸い、それ以上の事態に陥ることはなかったのですが、この先も実家で買い続けるのは、両者にとってかなりのストレスになるだろうと感じました。

ゲージとタロー

ゲージは生涯の宿敵となり、その中には絶対に入らなくなった

また、父親の飼い方に疑問というか、不満があったのも事実です。日常的に脱ケージを許しておきながら、客人があるとケージに入れて別室へ。

タローのゲージ嫌いが決定的になったのは無理もありません。

ある日実家を訪れたとき、ケージに押し込められて散歩にも行けず、珍しく吠えまくるタローに遭遇しました。

思わず父親に「人間の都合で犬を振り回すのはよくない」と忠告したこともあります。

棒命中事件を聞いた以上、もう放っておけません。

当時、横浜に住んでいた私がタローを預かることに――。狂犬病やワクチンの注射を済ませ、満1歳を過ぎた5月下旬、彼を我が家に迎え入れました。

あくまで預かるつもりだったにもかかわらず、間もなくすると母親が施設に入所したのを契機に、父親は生後6か月を過ぎたキャバリアの子犬を再び手に入れたというじゃありませんか。

キャバリアのチャー

父親の愛したキャバリア3代目「チャー君」

このいきさつも機会がありましたら披露したいと思います。


「新しい犬を飼うのはおかしい。タローを戻すよ」というやり取りもあったのですが、父親は以前からお気に入りの犬種キャバリアのチャー君に夢中!! 

「タローはお前にやる」ですと。

ひぇー、可哀そうなタロー。

「物品扱いはやめて!! ペットはあなたの玩具ではなく生き物なんだから。そういう態度は飼い主として無責任極まりないよ」となじったものの、父親はおかまいなしです。

しかし……憤慨しつつも私自身、パグという犬種、ならびにタローの面白さにどっぷりとはまってしまい、気持ち的には手放せなくなっていたことは、まあ否定できません。トホホ。

以後18年以上の歳月を彼と一緒に暮らすことになりました。