パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

禁断の味を知る

オヤツ欲しさに見上げる

散歩中は、オヤツ欲しさに見上げるポーズを、頻繁に繰り返しました

タローが初めて犬用のジャーキーを口にしたのは、横浜に来て間もなくのことでした。
いつも立ち寄る公園で出会ったおじいさんが、胸ポケットからジャーキーを取り出し、「はい」とくださったのです。

モグモグ、ごっくん。


このときのタローの顔が忘れられません。人間のようにしゃべることが出来たら、きっとこう言っていたと思います。

「こ、こんなに美味しいもの、初めてでしゅ!!」。


お座り姿勢のまま、タローはおじいさんに近づきました。「お口に合いましたか?」
おじいさんが再び胸ポケットに手を伸ばすと、見事にぺったらなタローの横顔から涎が滴ります。
ハル婆やの制止も構わず、タローはごっくん。ほとんど噛まずに飲み込んでいるじゃありませんか! 

まだ日の高い初夏の夕刻、おじいさんがくださったジャーキーとの出会いは、タローに至福をもたらしました。
以来、好物だったキャベツの芯をあげようとしても、彼はプイと横を向く始末。
きっと「こんなもの、食べられますか!」と言いたかったのではないかと。トホホ。 

父親がオヤツとして彼に与えていたのは、森乳サンワールド製のビスケット、蒸かしたサツマイモ、キャベツの芯の3種類だけでした。
タローの飼い方に関して、この点だけは父親に脱帽です。

オヤツを見せて「待て」

オヤツの「待て!!」のときの集中力がスゴイ(笑)

飼い主がハル婆やに替わって、ジャーキーに始まり、彼は禁断のオヤツの味を次々と知るようになります。

人間が食べる物を犬に与えると、味が濃くて癖になるからよくない。もちろん解っていましたが、ハル婆やと連れ合いは守れなかったです。
果物や焼くか蒸かしたサツマイモ、食パンの耳、どら焼きや肉まんの皮などを、自分たちが食べるとき、ついついあげてしまいました。

果物はビタミン、さつまいもは食物繊維が豊富だし、主成分が小麦粉のパンの耳や皮なら、さほどカロリーや塩分は高くないだろうと言い訳をしながら。

しかし、近年の糖質制限ダイエットを持ち出すまでもなく、限りなくエビデンス*1は薄いですよね。トホホ。

*1:証拠、根拠、証言、形跡などを意味する「evidence」に由来する外来語。「エビデンスがある」と言えば、一般的には「科学的根拠、裏付けがある」ということを意味します