パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

完全燃焼!!!②  運命の日が静かに迫る

旅立ちの前日、かかりつけの獣医さんのところで「ゼロゼロ」を和らげるための吸入や、1日の排尿量が減ってきたため注射器で補液をしてもらい、動物病院の定休日を挟んで3日後の土曜日に再診の予約をして帰路につきました。

「まだ食欲が旺盛だから、急にどうこうという事態には陥らない」。おそらく獣医さんも同じような判断だったろうと思います。

11月23日、タロー爺さんは日中2時過ぎ、力強く吠えて目が覚めたことを伝えました。「ゼロゼロ」はまだ治まっていないようですが、ずいぶんゆっくり寝られたと、まずはひと安心です。

いつものように彼を抱えて裏の路地へ。
しばらく待っても排尿しなければ場所を変え、よそのワンちゃんの匂いを嗅がせてオシッコを促します。

その日も何か所かで試みましたが、尿が出ません。昨晩、一度は排尿したので、「まぁ、いっか」と諦めました。

オシッコの次は食事です。流動食を入れた容器を近付けると、勢いよくガツガツ食べ始めるのが常ですが、その日は二口、三口舐めると動きが止まりました。
シリンジ
*1で口の中に運んでも飲み込まず、なかなかはかどりません。
結局、20ccのシリンジ1本分食べたかどうか……。

流動食を与える
流動食にも食いつきが悪い……

大きく吠えたてる → 排尿のために外へ連れ出す → ご飯を食べさせる → マッサージ、このサイクルを夕方5時過ぎまで何回か繰り返しました。

吠えるからには何かを欲している。彼のニーズが分からず困り果てていたとき、大好きな生クリームなら食べるはずと思い立ち、急いで洋菓子店へ。
ロールケーキの生クリームを指でひと掬い、彼の鼻に近付けました。
パクッと口をあけて指ごとしゃぶりつくのを期待したのに、彼は口を閉じたまま。「まいったな……」。

不安がよぎりながらも、「ゼロゼロ」の呼吸音が静かになってきたようにも感じられ、「明日、先生に診てもらおうね。大丈夫、よくなるよ」と半分は自分に言い聞かせながら、タローの体を撫でていました。

生クリームをあげる
大好物の生クリームなのに

 

*1:シリンジ……針のない注射器と思ってください。水分や流動食などを与えるために使うので、先端部分は太く、詰まりにくい構造になっています。先端部が直線タイプのほか、喉元に届きやすくなるようにカーブしたタイプも。