パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

完全燃焼!!!① “そのとき”はあまりにも突然に

老犬タローとの別れは突然、やってきました。


自力で立ち上がることは出来なくなりましたが、元気よく結構な量の流動食を食べ、
外へ出してあげればちゃんと排尿し、寝ながら、ときに食べながら(笑)、規則正しく毎日排便。
19歳と半年を過ぎ、順調に20歳へ向かっていると感じられる日々でした。

20歳に向かうタロー

快食・快便で順調に20歳へと思われたタロー爺さん

そんなタローに呼吸時、「ゼロゼロ、ゼロゼロ」と痰が絡むような症状があらわれたのは21017年10月中頃のこと。

ちょっと心配になりました。前年も同じ頃、同じような症状が出て、とても彼が苦しそうだったからです。

その苦しそうな呼吸音に飼い主が耐えられず、獣医師が躊躇したにもかかわらず、そのときはステロイド剤を半ば強引に処方してもらいました。
運よく炎症は治まったけれど、ステロイド離脱
*1に際して、その後の通院と投薬が労力的にも経済的にも大変だったのを思い出し、今回は治療の選択肢からあっさり除外。

とりあえず痰が切れやすくなるツボへの鍼灸*2をお願いすることにしました。

いわゆる“大人の事情”がついつい顔を出します。
トホホ。

痰がからむ

昨秋と同様に“痰がからむ”ようで苦しそうに

鍼灸のほか、痰が切れやすくなる(緩くなる)薬や抗生物質を投与しても、あまり改善が見られず、
ネブライザー
*3による吸入(ぺチャ顔のパグ犬ゆえ、この様子がまた笑えます)も始まりました。

心のどこかで「かならず彼は復調する」と、安易な期待を抱いていたのは間違いありません。

年齢を考えたら、いつ死が訪れても不思議ではないのに……。

ネプライザーと加湿器
吸入療法のひとつネプライザーと、湿度を保つための小型の加湿器

 



*1:ステロイド離脱…ステロイド治療の難しさのひとつを物語るのが、離脱に際してのコントロールだと思います。急激な中止や減量は厳禁。さもないと副作用やリバウンドが現れることも。時間をかけて、症状を見ながら、少しずつ段階的に減量することが必要だそうです。タロー爺さんも、ステロイド離脱には軽く一カ月は要したと記憶しています。

*2:鍼灸…人間と同じく、ワンコや猫にも数百個におよぶツボがあるそうです。そこを刺激することで神経系の流れが改善され、痛みが和らぐため、関節炎や椎間板ヘルニアなどの治療に用いられています。タロー爺さんも18歳を過ぎて、後ろ脚の衰えが顕著になった頃から、鍼灸治療がスタートしました。高齢犬の場合、免疫力アップにも効果があるとか。

*3:ネブライザー…吸入療法の1つ。ネブライザーという機械を使い、液体薬剤を粒子化させて噴霧し、口や鼻を経て薬剤を気道や肺に届けるというもの。気道や肺の炎症、感染症状を治療、緩和するために使用されます。自家用に購入することも可能なようですが、タロー爺さんの場合、獣医さんから室内湿度を60%以上に保つようにアドバイスされ、まずは加湿器で対応していました。