パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

回向院へ葬る④ 小さな骨壷に納まって我が家に帰還

タローの骨壷

お骨だけになった彼は、こんなにコンパクトに

彼が焼き場から戻って来る予定日の午後、念のために電話を入れ、戻って来たことを確認して回向院へ。
タロー爺さんは高さも幅も12㌢程度の、小さな小さな骨壷に納まっていました。

最晩年は体重が6㌔前後まで落ちたとはいえ、骨格は若い頃のままです。
パグ犬にしては大きいほうだったので、こんな小さな壷にすべての骨が納まったのかと思うと、ちょっとショックでした。
やっぱり小型犬なんですね。

個別葬の人向けの骨壷ロッカー

骨壷を納めるロッカーにまで飼い主さんの気遣いが

受付で鍵を受け取り、骨壷を携えてロッカー形式の納骨堂へ向かいました。
納骨堂の建物は古く、どこか学校の着替え室のような雰囲気です。
一人で訪れるのはちょっと……。正直、そんな気もしましたが、中には造花や生前の可愛らしい写真で扉や周囲を賑やかに飾っているところもあります。
「寂しくないように」、そんな飼い主さんの気遣いでしょうか。

骨壷を納骨堂に納めるか、どうするか――。
せっかく個別納骨堂の使用ができるのに、タロー爺さんをこのまま置いて帰るのは偲びなく、
とりあえず春の彼岸まで手元に置こうと決め、家路に着きました。

年が明け、春の彼岸が過ぎ、お施餓鬼の法要*1の知らせが届き、人間で言えば新盆を迎える季節になっても、タロー爺さんの骨壷は我が家の粗末な祭壇に置いたまま。
毎日、連れ合いは水をあげ、私は時々花を供えます。

1ヵ月もすれば秋の彼岸です。たぶん、一周忌の頃、集合葬の供養塔に葬ることになるでしょう。

タローのためのロッカー
せっかくのロッカーだが使用せず、お骨は無事、我が家に


タロー、あと3ヵ月もすると、君が突然この世からいなくなって1年が経つんだ。

その間、君を思い出さない日はないけれど、新しく始めた畑作業や炊き出し、93歳の父親の介護に追われ、けっこう忙しくしているよ。

ペットロスとは無縁の、トホホな飼い主をあの世の君はどう思っている? 




*1:「施餓鬼会(せがきえ)」「施食会(せじきえ)」などとも言い、各宗派共通の仏教行事のひとつ。お盆の前後に行われることが多いそうです。先祖代々の諸霊をはじめ一切の生物の霊を慰め、さらに自分自身に巣くう「餓鬼」の心を反省し、改めて功徳を積み、「福徳延寿」を願います。