パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

完全燃焼!!!③ 危機から幾度も生還を

仕事から戻ってきた主人にタローの様子を報告すると、「そっかー、食欲がなくなったのか……。でも呼吸は楽になったみたいだね。明日、病院で診てもらうんだろう? 大丈夫!食欲も戻るよ」。

主人も、タローの生命力の強さに期待していました。
なぜなら、彼は順風満帆にして19歳を迎えたわけではなく、何度か命を脅かされる状況を潜り抜けてきたからです。

2011年5月、彼が13歳のとき、歯石を取る手術で悪性腫瘍の1つである肥満細胞腫が発見されましたが、完全に取り除くことはせず、腫瘍と共存する道を選びました。
また16歳を目前にして腎不全が判明するなど、爆弾を抱えたまま老年期を過ごしてきたのです。

19歳の誕生日1カ月前にも食欲がなくなり、深刻な状態に。1週間毎日々々、抗生物質と輸液の注射をしてもらった結果、彼の命はつながれました。そうして19歳と215日を迎えたのです。

 

手術の前と後
13歳のときにみつかった肥満細胞腫の手術前(左)と後

一瞬、夜間・休日診療を行っている病院へ運ぶことも考えましたが、知らない獣医の診察を受けるタロー爺さんのストレスは相当なはず。
やはり明日、かかりつけ医が開くのを待とうと決めました。

マッサージをするために主人が毛布をめくったら、彼の臀部近くに存在感のある黒っぽい物体がボコンと1つ。
恒例の、寝ながら排便です(笑)。
隣のベッドに彼を移動させ、便を始末してバスタオルを取り換えていると、主人が「あれ、またウンチだ。ちょっと柔らかいな」。食欲がなくなった上に、本当に久しぶりの軟便……。心配事が増えてしまいました。トホホ。

タローはベッドを二つ並べて使っていた。もちろん粗相時の即時対応のため





肥満細胞腫……肥満細胞が悪性腫瘍、つまりガン化してしまったもの。ちなみに肥満細胞って、体形の肥満とは無関係です。皮膚にできることが多く、皮膚ガンの中でもっとも多いとか。原因は不明とされていますが、慢性的な炎症の関与が疑われたりもしています。遺伝的な要因で、なりやすい犬種としてラブラドールレトリバーゴールデンレトリバーのほか、パグなどの短吻種が挙げられています。

腎不全……「急性」と「慢性」とがあり、前者は腎臓病や尿路結石などによって引き起こされますが、発見が早く、原因が特定できて適切な処置を取れば治る可能性は高いと、某サイトに書いてありました。一方、後者は10歳~13歳の高齢になると発症するケースが多く、老化が原因の病気だそうです。それゆえに発見が遅くなり、気づいたときは腎臓の機能がかなり失われていることがほとんどだと聞きました。