パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

桜の木の下で② “花より団子”の面目躍如

主なきステージ

桜の季節が訪れても、雄姿? の主の姿はない


満開から花冷えの日が続いたおかげで、平成最後の東京の桜は、お花見の時期が長く続いています。
桜の便りが聞かれる頃になると、寒さも和らぎ、なんとなく浮き浮きした気分になりますね。

でも花粉症を患うハル婆やにとって、タローが生きていたときは恨めしくもありました。
なにしろ彼の朝夕の散歩を終えると、鼻がムズムズして くしゃみを連発し、ヒリヒリするほど鼻をかみ、ボーっとした日々を過ごすのが常でしたから。

そういえば動物も花粉症を発症するらしく、ニホンザルが目をゴシゴシこすったり、くしゃみをする映像を目にしたことがあります。

満開の桜

桜の盛りはまた、花粉症の季節でもあるのです

タロー爺さんはどうだったかなぁ。

彼がくしゃみをすると、顔がバイアスに歪んで、不細工な顔がますます不細工になると大笑いしたことは覚えているのですが、そのくしゃみは花粉症によるものだったのかどうか――。

花粉症はさておき、桜の季節になると思い出すことがあります。
彼がまだ小さい1、2歳の頃、散歩の途中によく小石を拾い食いしていました。
満腹中枢が壊れていて年中空腹感があるのか、はたまた歯が生え替わる時期でむず痒かったのか、理由はよく分かりません。

口の中から小石を取り出そうと格闘するものの、彼も歯を食いしばって抵抗します。
その頑固さに手を焼きました。

桜を食す

好物はソメイヨシノ

もう少し大きくなった3、4歳の春のことです。
ふと気がつくと、タローは地面に落ちた桜の花びらを一心不乱に口へ入れているじゃありませんか!!

待てよ……桜の花びらならいくら食べてもカロリーは低いし、飼い主の懐も痛まないよね。
小石を食べるよりずーっとマシでしょ!!
体への影響もほぼほぼないだろうと考え、好きなだけ飽きるまで食べさせました。
“花より団子”の面目躍如たる、まさにタローらしいエピソードです。

味の違いが分かるのかどうかは不明ですが、桜以外の花びらは口にせず、桜もソメイヨシノ以外、たとえば八重桜の花びらはお気に召さないのです。

あんなに食いしん坊だったのに不思議、と言えば不思議でした。