パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

都会の路地にオアシスあり

路地の草むら

勝手口を出ると、そこには小さな草むらが連なる

 

今年の夏はちょっと経験したことのない、異常な暑さでしたね。ワンコ自身はもちろん、飼い主さんも朝夕の散歩は本当に大変だったと思います。

でも日が高くなってから散歩しているワンコを見かけると、つい気になります。
まだ若いワンちゃんでしょうか。
元気よく歩いてはいるものの、「ハア、ハア、ハア」と激しい息遣いが聞こえると、つい「せめて日陰を選んであげてね」と、声をかけたくなりました。

タローが生きていた頃、夏の朝は遅くとも7時頃、盛夏は連れ合いが4時、5時起きして対応していました。
ワンコたちは夏でも1枚毛皮を着ているようなもので、夏が苦手のワンちゃんは多いのですが、鼻ぺちゃ犬種はことさら厳しい。
呼吸が半端なく、せわしくなるんですよ。素人目にも心臓へ負担が相当、かかっているだろうと思われました。


だから夏の散歩は早朝に済ませ、2回目はとっぷりと日が暮れた頃。午後7時とか8時でしたか……。

しかし、今にして思えば、それまでオシッコを我慢していたんですね。
彼は家の中で排泄する習慣がなく、雨が降る日も、少なくとも1回は外で、レインコートを着て用を足していましたから。


心臓は配慮したのに、腎臓への負担はまったく気がつきませんでした。トホホな飼い主です。

黄色のレインコート

ちょっと苦手なレインコートを着せられて

都会は夜になっても30度を下回らないこと、決して珍しくありません。
そんな過酷な状況でも、助かったのは自宅の裏が私道だったこと。しかも草ぼうぼうの状態です。
草むらの匂いを嗅いで排尿・排便できるのは、タローにとって好ましい環境でした。


私道は近所のワンコや地域猫も利用していたので、だれそれの痕跡訪を確認するかのように5分近く探索して排泄すると、おもむろに冷房の効いた寝床へ戻ります。

老齢期に入った10歳くらいから、そういう夏の夜が増えました。

今年の暑い夏、私道の草むらを珍客が訪れました。
1羽の野鳩です。
数日間、強い日差しから逃れるように、木陰になった草むらに舞い降りて周囲の草をついばんでいました。

タロー、君がお世話になった草むらは、今も近所のワンコやニャンコ、鳥たちが立ち寄る、都会のちょっとしたオアシスになっているよ。

 

野鳩

草むらに紛れていますが、円内にいるのが野鳩です