受診するタイミングって?! その1 突然の嘔吐や下痢で心配な時
しばらくブログをさぼっていたら、世の中が新型コロナウイルスで大騒ぎとなっていました。
そうした中、ちょっと肩身が狭そうな表情の飼い主さんに急かされて、小走り気味に散歩するワンコを見かけると、
「犬の散歩くらい、いつも通りでいいんじゃない?」と、つい思ってしまいます。
STAY HOMEと言われても、ワンコに罪はなく……。甘いでしょうかね!?
夜間や休日、子どもに急な発熱や嘔吐などの症状が現れた場合、受診させるか、それとも様子を見るかについて、1つの基準を提示した記事を東京新聞(最後尾にアップしておきます)で読みました。
新型コロナの拡大が止まらない頃でしたから、当然ながら医療現場は混乱していますし、よく言われることですが、受診することでかえって感染リスクを抱える――それらも視野に入れての問題提起だったでしょう。
結論を言えば、病気でもけがでも大事なのは、全身状態をよく観察すること。全身状態とは体温や脈拍、呼吸、意識などを指します。
「これらがしっかりしていれば、基本的に様子を見ていい」。
さらに「通常の呼吸や脈拍の速さ、顔色などを日頃から観察しておくと、元気な時との比較ができ、あわてずに済む」と結ばれていました。
これって、ワンコの場合にも当てはまると思います。ダメダメな飼い主でしたが、タローの様子を観察するという点においては、少し自慢ができます。
彼が若い頃から、食事や水の量、排泄物の回数や形状、色、においなどが通常はどうなのかをほぼ把握していました。
だから突然の下痢や嘔吐に接しても、彼に食欲があり、散歩を嫌がらなければ慌てず騒がず。
「もう少し様子を見ようか…」と判断することが多かったと記憶しています。
そして、すぐに受診しない結果、手遅れになるケースもありませんでした。
この表にある「全身の状態」「顔つき」「子どもとの会話」「呼吸状態」「睡眠状態」の項目を犬用にアレンジ。「食欲」「散歩」「排泄物」などに変更して、普段からワンコの様子をチェックすることが大事
受診するタイミングって?! その2 だからと言って過信は禁物!
受診か? 様子見か?
思い出すのは、タローが自宅の2階から急な階段を転がり落ちた時のことです。
いつも階段の上で吠えて「起きたよ!」と知らせるのですが、階段口の戸を閉めて台所で食器を洗っていたせいか、彼の吠え声をキャッチできませんでした。
何度か吠えたにも関わらず、婆やが迎えに来ない!!
「お腹空いた! 早く下に降ろして!」
地団駄を踏んだ彼は階下をのぞき見た瞬間、バランスを崩したのでしょう。なにせ3.5頭身ゆえ、頭部が重いですから。
ゴロゴロ、ズドーン!!
即座にタローが階段から落ちたと気づきました。
やっちまったか……。
静かに戸を開けると、自身の身に何が起きたのか分からない、キョトンとした顔つきのタローがいました。そっと抱きかかえたら抵抗しません。数分間やり過ごした後、心臓の鼓動を確かめるとドックン、ドックンと既に落ち着きを見せています。
続いて床に立たせてみました。
しっかりと立つのを見届けたら、頭部や四肢、背骨など、タローの全身をくまなく強めに触りました。
痛い箇所があれば、「ギャン」と泣くはずです。
どうやら骨折や打ち身はなさそう……。
次にご飯を用意すると、いつもの通りにガツガツ食べ始めました。
水も飲み終え、リードを見せながら彼に「散歩へ行く?」と尋ねると、これまたいつもの通りに玄関へ一直線です。
散歩の最中も、脚の運びはもちろん排尿&排便時の様子、排泄物の回数や形状、色、においなどが普段と比べて異なっていないか、いつもより注意深く見つめました。
とくに変わった点はなく、胸を撫で下ろしたことを鮮明に覚えています。
しかし頭部を強く打つと、その時は何もなくても後に嘔吐したりして、死に至ることもあるのを思い出し、1週間ぐらいはタローの様子を気にかけていました。
幸いにして何事も起きなかったのですが、階段落下事件から何か月か経った頃、かかりつけの獣医を訪れた時のことです。
犬友の誰かから耳にしたのか、呆れたように言われました。
「タロー君は受け身が上手だったから、たまたま大事に至らなかっただけで……。もう14歳なんだし、そういう時はちゃんと診せてくださいね!」
素人判断だけに過信は禁物!ですね。トホホ。
薬の飲ませ方① 良薬は口に”甘し”と覚えさせる
ワンコを飼っていると、飼い主が薬を飲ませなくてはならないときがあります。
シニア犬になれば、サプリメントをふくめ定期的に数種類の薬を服用することが珍しくありません。
タロー爺さんも、多いときは1日に4種類の錠剤とサプリメントを飲んでいました。
問題は飲ませ方です。
薬を飲むのが苦手なワンコって多いと思います。
まだ彼が若い頃、春先になるとよくお腹を壊すので、いちおう動物病院へ連れて行きました。
数日分の下痢止めの薬を処方されたので、飲ませ方を教えてもらいました。
背後からタローを抱え込み、
下顎をグイっと強く掴むと口をこじ開け、
錠剤を口の奥へ。喉元を撫でて飲み込みを促し、ゴックンとするまで口を押さえている。
ぺちゃんこ顔のパグ犬でも、実に上手に飲ませるんですね。
獣医さんだから当然といえば当然なんでしょうが……。
こんな芸当が素人にもできるのだろうか?!
ぺちゃんこ顔と格闘すること約10分。
ハル婆やは1回試しただけで早々と諦め、「タローの好物で錠剤をくるむ」*1という方法に切り替えました。
根性なしの飼い主です。トホホ。
若い頃は食パンや餡まんの皮などにくるんで、
爺さんになってからは薬の種類も増えたし、
ご褒美の意味を兼ねて、ほんのり甘いカステラ焼にくるんで飲んでもらいました。
そのカステラ焼は水天宮近くにある人形焼の老舗から、わざわざ連れ合いが買ってくるんです。
タロー爺さんに間違いなく薬を飲んでもらいたい一心で。タロー爺さんもそんな気持ちに応えたのか、毎日きちんと飲み続けた――。
いやいやそんなことないでしょ?! 単にカステラ焼が甘くて美味しかったのだと思います。
彼が食いしんぼうだったのが幸いしました。
*1:最近は「ピルポケット」をはじめ、錠剤を埋め込む専用のものが売られていて、ワンコの好む味がついているそうです。
薬の飲ませ方② 中華料理の技に学ぶ
錠剤は「好物にくるむ」という方式で乗り切れましたが、タロー爺さんの嚥下能力が落ち、固形物が食べられなくなってからは困りました。
大好きなカステラ焼にくるんでも吐き出すようになってしまったのです。
新たな問題の発生です。
食事は固形物の摂取が難しくなったため、流動食を手作りして食べさせていました。
彼が食べ慣れたドッグフードをふやかし、軟らかく茹でた好物のサツマイモやお気に入りのササミ・スープ煮の缶詰と一緒にミキサーにかけ、ペースト状にしたハル婆や特製です。
かかりつけ医は、錠剤をすりつぶして粉状にしたものを流動食に混ぜることを提案しました。
なるほどね。
でも、どんな道具ですりつぶせばいいの?
「ピルクラッシャー」とかも市販されていますが、常に代替品を利用してきたハル婆やは何かないかと考え、すり鉢を思いつきました。
小さなものが家にあったので、さっそく試してみると、鉢の凸凹溝に薬が残ってしまい、楊枝などで掘り出さなくてはなりません。
面倒くさいことは長続きしないと思い、別の代替品を探すことにしました。
ある日、何気なく料理番組を見ていたら、中華の料理人が大きい包丁の腹を使って、ニンニクをつぶしているじゃありませんか!!
ビビッと閃きましたね。
家にある普通の包丁の腹でもすりつぶせるのでは?
オッケー、ノープロブレムです。我ながら名案だと思いました。
次に、なんの上ですりつぶすか?
なるべく粉が入り込まないものがいいですよね。すり鉢で学びましたから。
ハル婆やはホームセンターでステンレス製の小さい板を購入しました。
まな板でも代用できると思いますが、表面がツルツルした紙などを敷いたほうがいいと思います。
これで「薬のすりつぶし」 に成功!!
長生きの秘訣④ 散歩編1 朝夕2回、たっぷりと。
タローが長生きした理由として、「散歩」を第一に挙げてくださる方が少なくありません。
「よぉく毎日、散歩していたもんね。だからタロー君は長生きしたのよ」
犬友はもちろんのこと、会社の窓からハル婆やとタローが散歩する光景をいつも眺めている、という女性が話しかけてくれることも――。
確かに暑かろうが寒かろうが、あるいは雨や雪が降ろうが1年365日、朝夕2回、それぞれ少なくとも1時間は散歩していました。
ハル婆やが行けないときは連れ合いが、1日も欠かさず散歩へ行きました。
これだけは少し自慢できるかな……。
だけど長生きを意識してのことではなく、単に散歩が好きな犬だったから、
「それくらいは対応してやろう」という気持ちだったように思います。
だから散歩が長生きの秘訣かと尋ねられたら、あまり確信が持てません。
そうかもしれないし、そうとも限らない。今も極めて曖昧な感触しかないのです。
たとえば心臓や股間骨に先天性の疾患を抱えていたら、散歩が次第に辛くなるケースだってあるでしょう。
肥満犬になると、散歩をしたがらないという話もよく耳にします。
それと、散歩する=歩く行為にあまり喜びを見いだせない犬もいるのではないでしょうか。
父親が飼っていたキング君がそうでした。
まだ3、4歳にも関わらず、箱入り息子で育てたのが災いしたか、あるいはキャバリア犬種に多い心臓病を早くも発症したのか、散歩に出ても長く歩くのが苦手。
ついでに言えば、他の犬と会うのも苦手でしたね。
キング君の場合、散歩は歩くことよりも、人間に可愛がってもらうのが目的だった気がします。
まるでぬいぐるみのような、誰もが愛くるしいと感じる顔立ちと仕草の持ち主でしたから。
そして彼自身、そのことを十分に意識している!
不細工ワンコの飼い主、ハル婆やはちょっと意地悪く彼を見ていました。
話が脱線したので元に戻しましょう。
某週刊誌で愛犬家のこんな一文を目にしたことがあります。
「幼年期にたっぷり運動した犬が長生きする」
長生きするかどうかはともかく、彼の引き締まった下半身と脚の筋肉は、1歳から2歳までを過ごした横浜の、アップダウンの多い地形を縦横無尽に走り回った賜物です。
体形や脚力だけでなく、肺や心臓も鍛えられたのかもしれません。
そんなこんなを考えると、先天性の疾患がなく、幼少期にたっぷり運動して散歩好きになることは、長生きワンコの十分条件*1と言えそうですね。
*1:「例外なく、これがないと成立しない」という必要条件に対して、「これが満たされていれば、とりあえずは成立する」といった条件