パグ犬 タローが教えてくれたこと

生命の危機を何度か乗り越え、快食・快便、20歳に向け順調な日々を送っていたパグ犬タロー。それが、たった一日食べなくなって……。愛犬との日々を振り返りながら、老犬との暮らし、介護のヒントにもなればと考えています。

タローが我が家に来た理由① 2匹死なせた父の執念

セラピードッグの代わりに

キャバリア2匹の無念を背負って真打登場

タローはもともと、私の父親が飼い始めた犬です。
なぜ私が飼うことになったのか、その経緯をお話しようと思います。

実家の母親が認知症になり、セラピードッグ*1という言葉を小耳に挟んだこともあり、犬でも飼ったらどうかと提案したのが始まりでした。

じつはタローを飼う以前にも、父親はキャバリアという犬種の子犬を飼ったことがあります。
しかし、家に来てから1か月も経たないうちに感染症に罹り、死んでしまったのです。巨大駅のガード下にある怪しげなペットショップから購入したのが災いしたのか、あろうことか2匹続けて*2
症状から推測すると、2匹とも犬ジステンパー*3やパルボウイルス感染症*4を発症したのではないかと思います。
鼻水やくしゃみ、嘔吐などの症状が現れ、慌てて近所の動物病院に連れて行ったものの、2匹とも幼い命を救うことは出来ませんでした。

生後60日を過ぎて母犬から離すとき、子犬にワクチンをきちんと摂取*5していれば、こうした感染症罹患率はぐんと低くなるそうです。飼育環境が悪かったのか、ワクチン接種を怠ったのでしょう。

獣医師さんも「2匹続けてというのは珍しい。まずないね」と呆れていました。

ところが父親は懲りずに、今度は老舗百貨店のペット売り場を訪れ、パグ犬に目をつけたのです。たぶん、私が飼うならパグ犬がいいと主張したからではないかと……。

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犬たちの隠された生活

本の中には著者が実際に飼育し、観察を続けた『パグ』のページがあります

以前から、あのユーモラスな顔や体形はムツゴロウ(畑正憲)先生のTV番組などで見知っていましたが、偶然、本屋で手にした『犬たちの隠された生活』*6という本に登場するパグ犬に興味を抱いたのです。

愛嬌のある顔とは裏腹に、じつに誇り高い性格。もちろん、すべてのパグ犬に共通するはずありませんが、そのアンバランスなところに、すっかり魅了されてしまいました。

アンバランが魅力

愛嬌と誇りの高さを併せ持つ?!

 

*1:動物を介した治療方法「アニマルセラピー」の一種である「ドッグセラピー」を実施するために訓練された犬のこと。犬と触れ合うことで副交感神経が働いてストレスが軽減したり、ドーパミンが増えて楽しい感情が沸き起こるなどが報告されています

*2:最初の犬が丸1か月経たずに感染症を発症して死んだことを父親がペットショップに伝えると、代替品として同犬種・同年齢(生後2か月)の子犬を渡し、購入金額の返金には応じなかったとか

*3:感染力が強く、死亡率も高い感染症。主な症状はくしゃみ・鼻水、咳、発熱などで、元気や食欲がなくなり、さらに下痢や嘔吐も。重篤化すると痙攣や麻痺などの神経症状が現れます

*4:非常に感染力・死亡率が高く、恐ろしい病気。感染した犬の糞便から移るそうです。激しい下痢や血便、嘔吐などを起こす腸炎型と、突然死してしまう心筋炎型とがあります

*5:母犬のお乳には免疫が含まれていますが、その効果は生後60日程度まで。つまりペットショップに並ぶ頃には母子免疫が切れてしまい、感染症に罹りやすくなります。そのリスクから子犬を守るために、数種類のワクチン接種を行うのが普通です

*6:著者はエリザベス・M・トーマスというアメリカの人類学者。自らの飼い犬を長年観察して、犬の生態を生き生きと描いた傑作と言われています